― 林泉酔我 一入忘帰 ―

     Forget that the return and will come here

見るのではなく、感じるもの

What you feel rather than see

庭は、大自然の美を縮図したものであり、芸術的にアレンジしたものである。いながらにして、小庭から大自然の美に接することができる唯一の空間である。そして、また人々の心を通した自然が、庭であるから、庭はただ単なる自然に接する以上のものである。例えるなら苔一面の庭も、自然のイメージがなければ単なる苔地である。自然をイメージすることにより、苔地が大自然の景色に見えてくる。
『花は野にあるように』 
これは、千利休が茶室に生ける花について言った言葉である。いったん切ってしまった花を、自然の野にあるようにという事である。これは大変難しい。野の花の風情を一輪に表す。それによって一層美しく見える。
庭も同じように思われる。石や木という自然の材料で自然を描写する。そして大自然を寸尺の狭い空間に写すことによって、かえって自然の美しさが一層はっきりと強く感じられる。だから人々は自然の雄大さに引かれて足をとめ見とれてしまうのであろう。

a garden designer

齋藤忠一

tadakazu saitou
昭和14年福島県生まれ。
東京藝術大学卒業。作庭家であり庭園研究家。63年に重森三玲氏に師事して75年に独立。宗箇流家元露地(広島市)など各地で作庭。日本庭園を主に修理、復元を行なっている。著者『日本庭園鑑賞事典』(東京堂書店)他。

静寂の中 確かな存在感

石一つに山や神を表す

鶴亀ノ庭

吉野川を借景にした枯山水。中国道教思想に基づき,不老長寿を願い,慶祝を表す鶴亀の石組みである。
素直に感じればいい。絶対的に正しい答えなどない。
Karesansui (dry-garden style) is a borrowed landscape of yoshino-river.
Karesansui (dry landscape) is a style of Japanese garden or Japanese painting.

渾然一体の空間

美しさには理由がある。

回遊式庭園

うつろう実相の中自然を敬う精神こそ日本庭園。自然をひとつの小さな世界の中に閉じ込める。